「後悔リストの1位」から考える、お金との向き合い方

先日、30代の女性がご相談にいらっしゃいました。お子さんは3人、共働きで、日々忙しく頑張っている方です。貯金はコツコツ続けていて、NISAも少しずつ進めている、どちらかというとお金のことをしっかり考えて実行されているタイプの方です。

そんな彼女が、ふとこんなことをおっしゃいました。
「目の前のことで精一杯で、子どもが自立した後や老後がどんな感じになるのか、正直イメージが湧かないんです。ちゃんとやっているつもりなのに、なんとなく毎日が不安で…」

その言葉を聞いて、以前読んだあるアンケート結果を思い出しました。

世界の90代の方々に聞いた「人生で一番の後悔」

海外の研究者が90代の男女を対象に行った調査で、「人生を振り返って一番後悔していること」を尋ねたところ、ダントツの1位は「もっと挑戦しておけばよかった」だったそうです。

失敗したことへの後悔よりも、挑戦しなかったことへの後悔の方が、圧倒的に大きい。これは多くの心理学的な研究でも共通して見られる傾向です。人は「やって失敗したこと」よりも「やらずに終わったこと」を、時間が経つほど強く悔やむようになっているのだと思います。

そう考えると、目の前のことで精一杯になり、将来のイメージが湧かないというのは、決して特別なことではありません。ただ、その「なんとなくの不安」を放っておくと、いつの間にか「いつか」だったはずの夢が、そのまま後回しになってしまうこともあります。

「BUCKET LIST(バケットリスト)」を作ってみる

海外には「BUCKET LIST(バケットリスト)」という考え方があります。もともとは「死ぬまでにしたい100のこと」を書き出すという発想で、映画のタイトルにもなり広く知られるようになりました。

旅行に行きたい場所、挑戦してみたいこと、会いたい人、学んでみたいこと。どんな些細なことでも構わないので、100個にこだわらず、まずは思いつくままに書き出してみる。これだけで、「いつか」だった夢が、少しだけ輪郭を持った目標に変わっていきます。

ただ、日本人は真面目で堅実な方が多い分、「夢を語る」ということ自体を、どこか非現実的なもの、子どもっぽいものと感じてしまう傾向があるように思います。「そんなの叶うはずがない」「現実を見なきゃ」と、口に出す前に自分でブレーキをかけてしまう。けれど、本当にやりたいことがあるなら、それを後悔のないようにきちんと挑戦してみる。それは決して非現実的なことではなく、むしろこれからの人生をより豊かにするための、大切な選択なのではないかと思います。

夢を「人生設計」に組み込むという発想

とはいえ、「夢を見ても良い」と言われても、現実的にはお金と時間という大きな制約があります。ここで大切なのは、夢を漠然としたまま眺めるのではなく、教育費や老後資金の準備と同じように、人生設計の一部として位置づけてみることです。

銀行預金だけでコツコツ貯めていく方法もあれば、NISAなどの制度を活用しながら、長期的に育てていく方法もあります。どちらが正解ということではなく、大切なのは、家計を守るお金と、夢を叶えるためのお金を、それぞれ別々に「見える化」しておくことだと思います。

大切なのは「無理な挑戦」ではなく「計画された挑戦」

もちろん、後悔したくないからといって、無理な投資や大きすぎるリスクを取ることをおすすめしているわけではありません。夢を叶えるための資金づくりも、日々の暮らしを守る資金づくりも、どちらも大切な家族の資産です。

大事なのは、「いつか」を「いつまでに、どうやって」に変えて、家計・教育費・老後資金・夢の実現、そのすべてを一つの人生設計の中に位置づけてみることだと思います。

まずはバケットリストを書き出すことから

もし今、「本当はやりたいことがあるけれど、後回しにしている」ということがあれば、一度バケットリストを作ってみてはいかがでしょうか? 旅行でも、趣味でも、学び直しでも構いません。大きな夢でも、ささやかな願いでも構いません。

「そんな夢みたいな話、うちには無理かもしれない」——そう感じる必要はありません。夢を夢のままで終わらせないために、まずは人生設計という土台をつくり、そこから「いつまでに、どうやって」というお金の計画に落とし込んでいく。そのプロセスを最大限サポートします。

皆さんが心から叶えたいと思っていることを全力で応援したいと思っていますし、一つずつでも叶えていっていただけたら本当に嬉しく思います。

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