「それ、詐欺です」〜金融庁が警告するSNS投資詐欺の実態〜

「良い情報を教えてあげる」という言葉に要注意

先日、50代の女性のお客様からこんなご相談がありました。

「YouTubeを見ていたら投資の広告が出てきて、クリックしたらLINEグループに招待されました。そこでは毎日『この銘柄が上がった』という報告が届いて……。なんだか本当のことを言っているみたいで、少し入金してみようかと思っているんです」

私はすぐにお伝えしました。「それ、詐欺の可能性が高いです!」と。

このような相談が、最近FPとして活動していて明らかに増えています。そしてこれは特別な話ではありません。金融庁が2025年12月に公式の注意喚起ページを開設するほど、SNSを使った投資詐欺は今、社会全体の深刻な問題になっています。

今回と次回の2回にわたって、金融庁が実際に情報提供を受けた詐欺の手口を整理しながら、どう身を守ればよいかをお伝えします。

手口① SNS → クローズドグループへの誘導

最も報告件数が多いのがこの流れです。

まずYouTubeやInstagramなどで「投資で月30万円稼げた」といった広告や投稿が目に入ります。興味を持ってフォローしたり、コメントしたりすると、しばらくしてDMが届きます。

「私もFXで成功しました。よければ情報をシェアします」

そこからLINEや Telegramの「クローズドグループ」に招待されます。グループの名前には「◯◯証券」「◯◯投資クラブ」といった、いかにも信頼できそうな名称が使われていることも。著名な経済人や芸能人の名前・顔写真が無断で使われているケースも確認されています。

グループ内には「講師」や「アシスタント」が登場し、毎日のように「今日はこの銘柄が上がった」「先生のおかげで利益が出た」という投稿が続きます。しかし、これらは全員がグルになった「サクラ」。信頼させるための演技です。

最初のうちは少額の入金で「利益が出た」「出金できた」という体験をさせてくれます。しかし、まとまった金額を出金しようとしたとたん、さまざまな理由をつけて断られ、その後は連絡も取れなくなります。

手口② 「AI診断」を入口にした誘導

「あなたに合った投資スタイルを無料でAI診断します」

こんな広告を見たことがある方もいるかもしれません。診断を受けようとすると「詳細な分析レポートをお届けします」という案内でSNSへ誘導され、その後に投資話が始まります。

AIという言葉には「最先端」「客観的」というイメージがあります。そのイメージを利用して、信頼感を演出するのがこの手口です。

手口③ 「政府公認」「金融庁認可」という偽りの権威

これは特に危険な手口です。

首相や著名人の画像を無断で使ったフェイクニュース形式の記事で「政府が推奨する投資プログラム」として特定の投資先を紹介するものです。「金融庁の認可を受けている」「国が認めた運用会社」といった文言で、あたかも公的機関が保証しているかのように装います。

ですが、金融庁は特定の民間企業の投資商品を推薦したり、保証したりすることは絶対にありません。

まず確認してほしい「3つの問い」

SNSで投資の話を持ちかけられたとき、次の3つを自分に問いかけてください。

「この業者は、金融庁に登録されているか?」 金融庁の公式サイトで業者名を検索すると、登録の有無を確認できます。

「入金先は、個人名義の口座ではないか?」 正規の証券会社が個人名義の銀行口座に振込を求めることは、ありえません。

「最初から話が”うますぎる”と感じないか?」 「確実に儲かる」「元本保証」という言葉は、金融の世界では原則として使えません。

終わりに

次回は、「IPO当選」「選ばれた人だけの口座」「偽の証券会社アプリ」といった、より巧妙な手口と、被害に遭ってしまった場合の相談先をご紹介します。

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