NASDAQ100における「ファストパス」とは?

先日、40代のお客さまとお話ししていたとき、こんな質問をいただきました。

「ニュースでスペースXが株式市場に上場するかもって聞いたんですが、それって私たちにも関係あるんですか?」

実は、あります。しかも、すでにNISAで積立をしている方には、じわじわと関係してくる話です。今日はそのあたりを、できるだけわかりやすくお伝えします。

まず「NASDAQ100」って何?という方へ

NASDAQ(ナスダック)というのは、アメリカの株式市場のひとつです。

日本でいえば「東京証券取引所」のようなものです。そのNASDAQに上場している企業のうち、特に規模の大きい上位100社を集めたのが「NASDAQ100」という指数です。

アップル・マイクロソフト・アマゾン・アルファベット(グーグルの親会社)・メタ(旧フェイスブック)・テスラ・エヌビディアなど、私たちの生活やビジネスを大きく変えてきた世界的なテック企業が名を連ねています。

「聞いたことある会社ばかりだな」と思われたのではないでしょうか。スマホ、検索、ネット通販、SNS、など私たちが毎日使っているものを作っている会社ばかりです。

NISAの積立で「米国株ファンド」や「NASDAQ100連動型」を選んでいる方は、実はこういう会社たちに毎月少しずつ投資していることになります。

「ファストトラック」って何のこと?

さて、本題です。

2025年4月末、ナスダック市場はNASDAQ100の採用基準を改定すると発表しました。規模の大きな企業であれば、上場からわずか最短15営業日(約3週間)で指数に採用できるようになります。これまでは数ヶ月かかっていた期間を大幅に短縮するとのことです。

テーマパークの「ファストパス」をイメージするとわかりやすいです。これまでは「上場してから指数に入るまで、列に並んで数ヶ月待ち」だったのが、「十分に大きな会社なら、すぐに入れる」という仕組みに変わったということです。

そして、このルール改定によって「早期にNASDAQ100入りできるかもしれない」と注目されているのが、スペースX・オープンAI・アンソロピックという3つの会社です。

3社をざっくり紹介

それぞれどんな会社なのか、簡単にお伝えします。

① スペースX(SpaceX)

イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業です。ロケットの打ち上げや、衛星を使ったインターネットサービス「スターリンク」などで知られています。「民間企業が宇宙ビジネスをやる時代」を切り開いた会社といえます。

② オープンAI(OpenAI)

「ChatGPT」を作った会社です。ChatGPTを使ったことがある方も多いのではないでしょうか。文章を書いたり、質問に答えたり、翻訳したり……AIを使ったサービスの代名詞的な存在です。

③ アンソロピック(Anthropic)

少し聞き慣れない会社かもしれません。アンソロピックも、オープンAIと同じくAI企業です。「Claude(クロード)」というAIを開発しており、安全性を重視したAI開発で知られています。

そして、すでに上場した「身近な会社」

「スペースXもオープンAIも、なんだか遠い話だな……」と感じた方もいるかもしれません。

でも、実はもっと身近な会社が、すでにNASDAQに上場しています。それが「PayPay(ペイペイ)」です。

なお、PayPayは2026年3月にNASDAQ市場に「上場」しましたが、現時点ではNASDAQ100の「構成銘柄」に採用されているわけではありません。NASDAQ100に入るには、ナスダック全体の中で時価総額上位100社に入ることが必要で、PayPayの今後の成長次第ということになります。

ただ、「自分が毎日使っているサービスの会社が、世界の株式市場で取引されている」という事実は、投資をぐっと身近に感じさせてくれるニュースだと思います。

もし3社がNASDAQ100に入ったら?

スペースX・オープンAI・アンソロピックが上場し、NASDAQ100に採用されると何が起きるでしょうか。

NASDAQ100に連動する投資信託商品で積み立てている方は、自分で何も手続きしなくても、自動的にこれらの会社への投資が組み込まれることになります。個別株をわざわざ買いに行く必要はありません。

「宇宙ビジネス」「AI」という次の時代のテーマを担う企業が、気づけば自分の積立の中に入っている。そんな状況が生まれるかもしれません。

ただし、冷静に見ておきたいこともあります

こういうニュースを聞くと、「今すぐNASDAQ100のファンドに変えよう」という気持ちになるかもしれませんが、少し立ち止まって考えた方が良いと思います。

この3社の合算の資金調達規模は2,400億ドルを超える可能性があり、ほぼ同時期に市場に登場することで、世界的な資本の流れに大きな影響を与える可能性があります。 また、複数の超大型企業が同時期に指数に採用された場合、短期的には株価の値動きが荒くなることも考えられます。

必ずマイナスなことが起きる訳ではなく可能性の話ですが、気にした方が良いことです。ですので「盛り上がっているから」という理由だけで積立先を変えることは、あまりおすすめしません。

大切なのは、自分のライフプランに合った投資なのかどうかです。

なお、毎月コツコツ積み立てていれば、価格が高い月も安い月も、自然と平均的なコストで買い続けられます。ニュースを見て一喜一憂して売ったり買ったりするより、淡々と続けている人の方が、長い目で見てうまくいくケースが多くあります。

まとめ

今回のポイントを整理するとこうなります。

  • NASDAQ100とは、アメリカの有名テック企業トップ100を集めた指数のこと
  • 新ルール「ファストトラック」により、大企業が上場後すぐに指数入りできる仕組みになった
  • スペースX・オープンAI・アンソロピックという注目の3社が、近い将来NASDAQへ上場しNASDAQ100に加わる可能性がある
  • PayPayはすでにNASDAQに上場済み。「身近な会社が世界市場へ」という時代の変化を象徴する出来事
  • 積立を続けているだけで、次世代企業の成長を自動的に享受できる可能性がある
  • ただし、短期の値動きには要注意。今すぐ積立先を変えなければいけないわけではない

「自分のNISAって、どんな会社に投資しているんだろう?」と気になった方は、ぜひ一度確認してみてください。そして「よくわからない」と感じたときは、いつでもご相談ください。一緒に確認して整理していきましょう。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。

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