子どものお金の教育をどう始めるか?

「NISAを始めたのはいいのですが、子どもにお金のことをどう教えたらいいのか分からなくて」

小学生のお子さんが2人いらっしゃる方から、こんなご相談をいただいたことがあります。ご自身が投資を始めて資産形成の大切さを実感したからこそ、「同じ失敗を子どもにはさせたくない」「お金に振り回されない大人になってほしい」という思いが強いようでした。

私自身も4人の子どもを育ててきた中で、お金の教育については試行錯誤を重ねてきました。今回は、家庭でできるお金の教育について、お小遣いの渡し方から将来のNISA口座の話まで、段階を追ってお伝えします。

お金の教育は「早すぎる」ということはない

お金の教育というと、難しい金融知識を教えることをイメージされる方も多いのですが、実際に大切なのは「お金は限りがあるもの」「使えば減る」「働くと得られる」といった、ごく基本的な感覚を早いうちから体験させることです。

例えば、小学校低学年であれば、お小遣いを定額制にして、その範囲でほしいものを選ばせるだけでも立派なお金の教育になります。ここで大事なのは、足りなくなったからといってすぐに追加で渡さないことです。多少我慢する経験や、次のお小遣いまで計画を立てる経験そのものが、将来の家計管理の土台になります。

小学校高学年から中学生くらいになると、「使う」だけでなく「貯める」「増やす」という感覚を少しずつ取り入れていく時期です。

小学校高学年〜中学生には「増える」感覚を

例えば、お小遣いを「使うお金」「貯めるお金」の2つに分けて管理させてみる、お年玉の一部を子ども名義の口座に積み立てて、半年後・1年後にどれくらい増えたかを一緒に確認してみる、といった方法があります。金利がほとんどつかない今の時代に「増えた」という実感は得にくいかもしれませんが、それも含めて「銀行預金だけではお金はあまり増えない」というリアルな気づきになります。

このタイミングで、「投資信託」や「NISA」といった言葉に軽く触れておくのも良いでしょう。難しい制度の説明は不要で、「大人が長期でコツコツ育てているお金がある」という程度の紹介で十分です。

中学生・高校生には「子ども自身の口座」を意識させる

お子さんが中学生・高校生になってくると、将来的にご自身の名義でNISA口座を持つことも視野に入ってきます。実際にジュニアNISAは制度自体が終了していますが、2027年からこどもNISAの制度が新たに始まり本人名義でNISA口座を開設できるようになります。

この時期におすすめしているのは、「お子さん自身の名前でお金が増えていく」体験を、少額からでも用意してあげることです。たとえば、アルバイト代の一部を家族で話し合って積立に回してみる、進学や就職を機に一緒に口座開設の手続きを体験させてみる、といった形です。

大切なのは、親が一方的に「やっておいたから」と用意するのではなく、なぜそれをするのか、どんなリスクがあるのかを、その都度、年齢に合わせて説明しながら進めることです。

なお、2022年度から高校の家庭科でも金融教育の内容が扱われるようになっていますが、授業で学ぶのはあくまで基礎的な制度の仕組みが中心です。「わが家のお金にとってそれがどんな意味を持つか」まで結びつけて考える機会は、やはり家庭の中でしか作れません。学校での学びを、家庭での実体験でどう補うかという視点を持っておくと良いでしょう。

お金の教育で親が意識したい3つのこと

最後に、家庭でお金の教育をする際に意識していただきたい点を3つお伝えします。

1つ目は、お金の話をタブーにしないことです。「子どもの前でお金の話をするのは良くない」という考え方もありますが、適度にオープンにすることで、お子さん自身がお金について自然に考える機会が増えます。

2つ目は、失敗を経験させることを恐れすぎないことです。お小遣いを使い切って困る、といった小さな失敗は、社会に出てから大きな失敗をしないための貴重な練習になります。

3つ目は、親自身が完璧である必要はない、ということです。親も一緒に家計や資産運用について学び直す姿勢を見せることが、実は一番の教育になります。

お子さんの年齢や性格によって、合う方法は家庭ごとに異なります。「うちの子にはどんな順番で教えていけばいいか」を一緒に考えたいという方は、ぜひお気軽にご連絡いただけたらと思います。

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