セキュリティを高めるためのパスキー認証とは?

「証券会社から『パスキーを設定してください』というメールが来たんですが、これって何のことでしょうか?設定しないとNISAの積み立てが続けられなくなるんでしょうか…」

先日こんな問い合わせがありました。この方の様に証券会社からの通知に戸惑っている方がいらっしゃると思いますので、今回は、最近ニュースでも取り上げられている「パスキー認証」について分かりやすく解説します。

パスキーとは何か

パスキーとは、簡単に言うと「ID・パスワードに代わる、より安全な本人確認の仕組み」のことです。

これまでのネット証券のログインは、「IDとパスワードを入力する」という方式が中心でした。しかし、パスワードは他人に推測されたり、偽サイトに誘導されて盗まれたり(フィッシング詐欺)するリスクがあります。実際、こうした手口による証券口座の乗っ取り被害が増えてきたことを受けて、証券業界全体で対策強化が進んでおり、大手証券各社もパスキー導入を急いでいる状況です。

パスキーは、スマートフォンやパソコンに「鍵」を保存し、指紋認証や顔認証といった生体認証と組み合わせて本人確認を行う仕組みです。パスワードのように「覚えておいて入力する」ものではなく、「自分の端末と自分自身(指紋や顔)」で認証するため、離れた場所にいる第三者が不正にログインすることが格段に難しくなります。

身近な例で考えてみる

イメージとしては、家の鍵と考えると分かりやすいかもしれません。

これまでのパスワード方式は、「合鍵を作れる番号」のようなものです。番号が漏洩してしまうと誰でも複製して開けることができてしまいます。一方でパスキーは、「あなたの指紋でしか開かない金庫」のようなものです。鍵の情報自体を盗まれても、本人の指紋や顔がなければ開けられません。

だからこそ、パスキーは「パスワードを盗まれても突破されにくい」仕組みとして、金融機関を中心に急速に広がっています。

導入時に気をつけたいこと

一方で、こうした変化には戸惑う声があるのも事実です。新聞記事でも紹介されていましたが、投資歴の長いシニア世代の方などから「自分では設定が難しい」「息子に手伝ってもらってなんとかできた」といった声が上がっています。実際に証券会社が説明会やサポート窓口を用意するケースも増えているようです。

なお、パスキーの設定自体は、スマートフォンの指示に従えば数分で完了することがほとんどですが、

  • 使っているスマートフォンの機種変更をした場合の引き継ぎ方法
  • 家族の端末と共有していいのか
  • 設定前にログインできなくなったときの問い合わせ先

といった点は、事前に確認しておくと安心です。分からない場合は無理に一人で進めようとせず、証券会社のサポート窓口や私の様なFPに相談しながら進めることをおすすめします。

安心して資産運用を続けるために

NISAやiDeCoなど、長期の資産形成を続けていく上で、「口座の安全性」は地味なようでいて非常に大切なテーマです。今回のパスキー導入の流れは、面倒に感じる部分もあるかもしれませんが、大切な資産を守るための前向きな変化だと捉えていただければと思います。

「うちの証券会社もそろそろ対応が必要なのか気になる」「設定方法がよく分からず不安」という方は、お気軽にお問い合わせください。資産運用に関連したこの様な身の回りの制度変更はこれからも起こることが想定されますので、一緒に整理していきましょう。

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